Dialog in the Darkへ行ってきました!

twitterでもちらほらとつぶやきましたが,ダイアログ・イン・ザ・ダークへ行ってきました。
初めてです。外では真夏の太陽がぎらぎらと照りつける中、真っ暗闇の中へ突入してきました。

そもそもダイアログ・イン・ザ・ダークとは

ダイアログ・イン・ザ・ダークとは...簡単に言ってしまえば真っ暗闇を体験するものです。もともとはドイツ生まれで、発案者はアンドレアス・ハイネッケという方で、哲学の博士号を持っていらっしゃるようです。で、照明を完全におとし、真っ暗闇の中で、いろいろなことをしてみましょうというものです。真っ暗闇なので、当然目は使えません。声が大切です。だからこそDialogです、と勝手に書きました。もちろん声以外でのdialogも大切です。

暗闇で何をしたか

このイベントは季節によって内容が変わります。内容とは、暗闇の中で何をするか、ということです。今は夏ですので、「キャンプ」をしました。一緒に回ったのは8人のグループです。これは決まっているようです。僕の組は女性グループ2組、カップル、女性1人、僕1人でした。時間は90分間です。
で、開始の時間になって、8人で集まり、まずアテンドの方の紹介があります。アテンドの方は視覚障害者の方で、いわばプロです。そして、軽く顔合わせをして、中へ入っていきます。急に暗くなると目がなれませんので、最初の部屋は薄明かりです。最初の部屋では「白杖」(はくじょう)を選びます。視覚障害者の方が使っているあれです。自分にあったサイズを選んでください、ということで、1つ選びます。全員が自分の白杖を選んだら、次の部屋へ行きます。ここは、最初の部屋よりもう少し暗いです。まだ顔は見えます。ここで1度座って、アテンドの方が注意点などを話します。まぁ雑談に近いですが。そして!暗くなります。1度暗くして、さらにもう少し暗くします。いまいち違いがわかりませんでしたが、とにかくこれ完全に暗くなったようです。暗くなったら、自己紹介です。暗くなってから自己紹介、というのがいいですね。ほんで、名前を言って、呼んでほしいニックネームを自分で付けます。今後暗闇の中ではこのニックネームで呼び合います。呼び合います、というより、手を伸ばして他の方に触ったときに、「〜〜です!どなたですか??」って感じです。僕のニックネームは...ここでは内緒にしておきます(笑)。自己紹介が終わったら、カーテンをくぐりキャンプ場へ向かいます。この時点ではもう真っ暗なので、最初の入り口さえわかりません。なので、まずはアテンドの方が、前の方にいる方に入り口のカーテンを掴ませ、そこから近くにいる次の方に「ここが入り口のカーテンです」と手をとって、教え合います。みなさん暗闇なので、「あ〜わからん!」とか「怖い!」言いつつ、はしゃいでいらっしゃいました(笑)。僕も手を取られ、次の方の手をとって、おそるおそる中へ...ここから先の内容は、興味のある方はご自分で試してみてください。
中にはいろいろなものがありました。道具を使って遊んだりもします。もちろん真っ暗闇の中で。
近くの人は触って、位置を確認します。「~~です!誰ですか??」と大きめの声を出します。もぞもぞ言っていたら何もわかりません。また遠く相手の位置を知るのは声の方向だけです。耳や他の方の位置(存在を感じます)を頼りに前へ前へ進んでいきます。普段目ばかりを使っていると、わからなそうですが、意外とわかるものです。へぇ人間もなかなかすごいなぁと関心してしまいました。
最後にカフェで飲み物を飲みます。いろいろな飲み物があり、アルコール(ワインとビール)もあります。ワインだけ300円で、他は200円です。もちろんカフェも暗闇です。僕はジンジャエールを飲みました。ウィルキンソンジンジャエールでした。他の方はウィルキンソンジンジャエールはちょっとだめだったようで、その方からお残りをちょうだいして、よくばって3本も飲んでしまいました。みなさん耳がよくなっているので、げっぷの音もよく聞こえそうです(汚くってすみません笑)。でもなんとか我慢しました。ここで、少しまたーりとします。カフェらしく。で、飲み終わり、片付け終わると、キャンプは終了です。入ったときと同じように薄明かりの部屋へ入り、顔が見える状態でお話をして、一番最初の部屋(受付があるところ)へ戻ります。地上から来たときはぎらぎらの太陽から下ってきたので、暗く感じましたが、今度は少しまぶしかったです。いっしょに回った方々とお話をして、ダイアログ・イン・ザ・ダークは終了です。

個人的な感想として

ありきたりですが、目以外の感覚の鋭さに驚きました。耳、鼻、手の感覚が、目を使っている状態より少し上をいきます。(びんびんになるわけではありません。それには鍛錬が必要ですので。)で、キャンプで驚いたのが、野菜の形です。本物のジャガイモとタマネギが用意されているところがあるのですが、それに触ったときに、「おぉこんな形だ!」と驚きました。感動に近かったです。普段触っているものも目の情報にかなり左右されていて、実は触っているとはいえないのかもしれない、とも思ってしまいました。また、人の肌の触れあいの気持ちよさというか、温かさというか、そういうものもかなり感じました。暗闇で、手を握るとちょっと不思議な感覚です。こうやってブログを書いているのも目で見ながら書いているわけですが、目以外の感覚も大切にしないといけませんね。そういった気づきがこのダイアログ・イン・ザ・ダークの最大の魅力とも言えると思います。暗闇の中での他人との対話、また自分の忘れてしまった感覚との対話、そんなものに興味のある方はぜひ参加してみるとよいと思います。
このイベントでは比較的に自由に動けますが、それでも制限された範囲で近くに頼れる人がいる中で動くので、やはり安心感があります。ですが、視覚障害者の方がどこか知らない駅や街をひとりで歩くとき、どれほどの恐怖なのだろう..と考えさせられます。どのような障害者の方にとってもそれは同じです。僕らはもそういう弱者の方がしっかりと優先される社会をもう少し考えなければいけないのでは...。そういう価値観の転換も、このイベントは与えてくれます。

僕も季節が変わったらまた参加してみたいなぁと思います。また、子どもがいるととても楽しいようなので、子どもが参加しそうな土日に行ってみたいと思います。